死産を経験した家族の出会いと別れを支えるグリーフケアの開発

平成17-19年度日本学術振興会 科学研究費補助金 基盤研究(B)
「Women-Centered Care プロジェクト -死産を経験した家族への支援-」
聖路加看護大学21世紀COEプログラム

目的:

この研究は、死産を経験した母親とその家族が、子どもと出会い、別れ、グリーフワークをすすめるプロセスを支援するグッズを開発し、実用化することを目的に取り組みました。

内容:

  1. 小冊子「悲しみのそばで」の開発:子どもとの出会いと別れを経験する入院中とその後のグリーフの期間に、母親とその家族が欲する情報を冊子にまとめました。作成にあたって海外のハンドブックを参考にしましたが、死産を経験した日本人の母親の意見を取り入れ、日本の慣習・文化に特有の情報を盛り込みました。
  2. 「天使キット」の開発:子どものためのかわいらしい小さな洋服やお布団、手型や足型・臍の緒など思い出の品を残すためのグッズ、子どもを亡くした他の母親からのピアサポートともなる縫いぐるみ、子どもの写真を飾るフレーム付きのボックスなど、一つのキットがあることで、母親とその家族に亡くなった子どもと向き合う勇気ときっかけを提供し、子どもの思い出のつまった箱として子どもと別れた後も活用できるように作成しました。

結果:

この小冊子「悲しみのそばで」と「天使キット」は、都内数か所の周産期医療センターで試用してもらい、母親とその家族に質問紙により評価をしてもらいました。「悲しみのそばで」を読むことで、今自分に起こっていることが分かるなど認知面での評価が高く、一方「天使キット」は、亡くなった子どもに会うことが後押しされる・思い出の品を残すきっかけとなったなど、行動面で高い評価を得ました。

研究のその後:

「天使キット」は実用新案登録を取得し、「悲しみのそばで」と共に現在アメジスト大衛より全国販売されています。 アメジスト大衛(以下のURLより、商品の概要をご覧になれます。) https://amethyst.co.jp/perinatallose-care/